i.MX 6ULL/i.MX 6UL/i.MX 6SoloXの2ポートEthernet機器を、i.MX8M Plus搭載SoM「SSOM-i.MX8MP-Chinchilla」で次世代開発提案

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2025年11月25日、東京都渋谷区 - ポジティブワン株式会社は、NXP i.MX 6ULL/i.MX 6UL/i.MX 6SoloXなど、2ポートEthernet構成で運用されている既存機器から、新規製品世代へ移行したいというお客様からの相談をきっかけに、NXP i.MX 8M Plus搭載SoM「SSOM-i.MX8MP-Chinchilla」を中核とした移行ソリューションの提供を開始しました。

既存の2ポートEthernet構成を維持しながら、CPU性能・AI処理・マルチメディア機能を大幅に引き上げ、次世代の産業用ゲートウェイ・IoT機器へのスムーズなステップアップを実現します。


◆相談のきっかけ:i.MX6+2ポートEthernet機器の「次」をどうするか?
国内のあるメーカー様から、次のような相談が寄せられました。

・ 現行製品は i.MX 6ULL/i.MX 6UL/i.MX 6SoloX ベースのCPU SoMボードを使用
・ LAN1/LAN2を備えた 2ポートEthernetゲートウェイ機器として、長年安定出荷してきた

新製品では、

・ さらに高いCPU性能
・ 画像認識などのAI機能
・ よりリッチなユーザーインターフェース(HMI)

を実現したい

しかし、現場システムの都合上、「2ポートEthernet構成だけは絶対に変えたくない」SoCを変えると、回路設計・ソフト移行・量産リスクが一気に増え、社内リソースだけでは不安など。

つまり、「i.MX 6ULL/i.MX 6UL/i.MX 6SoloXで築いてきた2ポートEthernet製品の“顔”はそのままに、中身だけを最新世代に入れ替えたい」というニーズです。

◆課題:性能・ライフサイクル・ネットワークを同時に満たす難しさ
・ i.MX 6ULL/i.MX 6UL/i.MX 6SoloXは、低消費電力かつコストバランスに優れ、産業用ゲートウェイやIoT機器のプラットフォームとして広く採用されてきました。

しかし、近年の要求はさらに厳しくなっています。

・ エッジ側での画像認識・異常検知などのAI処理
・ カメラ入力・高解像度HMI・クラウド連携が同時に動く負荷
・ 製品ライフサイクル10年超を見据えたプラットフォーム更新の必要性

一方で、

・ 「既存の2ポートEthernet配線や装置構成は変えたくない」
・ 「全面再設計ではなく、リスクと工数を抑えた世代交代にしたい」

という現場の声も強く、性能・ライフサイクル・ネットワーク構成を同時に満たすことが大きな課題となっていました。 ◆解決策:i.MX 8M Plus+SSOM-i.MX8MP-Chinchilla で“2ポートEthernetのまま”世代交代
ポジティブワンはこの相談に対し、NXP i.MX 8M Plusを搭載したSoM「SSOM-i.MX8MP-Chinchilla」を核とする移行プランを提案しました。

1. CPU性能の世代交代
・ Cortex-A7/Cortex-A9世代のi.MX 6ULL/i.MX 6UL/i.MX 6SoloXから、クアッドCortex-A53搭載のi.MX 8M Plusへ移行
・ 既存アプリケーションの高速化に加え、コンテナ化や複数アプリの同時動作といった、新しいアーキテクチャも検討可能に

2. 2ポートEthernet構成の継承
・ i.MX 6ULL/i.MX 6UL/i.MX 6SoloXと同様に、2ポートEthernet構成をキャリアボード側で維持できるよう設計
・ 既設設備の配線・制御システムを変えることなく、上位ネットワーク/現場ネットワーク、冗長構成などの現行構成をそのまま継承
・ 「ポート構成はそのまま・中身だけ進化」という移行を実現

3. エッジAIとHMIの強化
・ i.MX 8M Plus内蔵のNPU(Neural Processing Unit)により、外付けデバイスに頼らず画像認識・異常検知などのAI処理を実装可能
・ カメラ入力+ディスプレイ出力+AI推論をワンチップ+ワンモジュールで完結
・ i.MX6世代では余裕がなかった、動画を含むリッチなHMIも視野

◆SSOM-i.MX8MP-Chinchilla が“ブリッジ”となるポイント
i.MX 8M Plusをそのままディスクリート採用すると、SoC周辺の高難度回路設計やBSPの立ち上げなどの負担が一気に増加します。

SSOM-i.MX8MP-Chinchillaは、i.MX6シリーズからの移行を前提に次のような設計思想を持っています。
・ SoC、DDRメモリ、電源周りなどの高難度部分をモジュール内部に集約
・ キャリアボードは、2ポートEthernetを含むI/Oレイアウトの設計に集中できる構成
・ i.MX 6ULL/i.MX 6UL/i.MX 6SoloXで構築したLinux/ミドルウェア資産を意識したBSP・ドライバ移行支援
・ 評価ボードによるPoCから、量産設計レビュー・製造までを一貫サポート

これにより、

・ 「i.MX 8M Plusをゼロから設計する」のではなく、「SSOM-i.MX8MP-Chinchillaを前提に、i.MX6時代と同じ2ポートEthernet構成のキャリアボードを設計する」

という現実的でリスクの低い移行ルートを提示できます。

◆想定アプリケーション
本移行ソリューションは、特に次のような用途で効果を発揮します。

・ i.MX 6ULL/i.MX 6UL/i.MX 6SoloXベースの2ポートEthernet産業用ゲートウェイの次世代機開発
・ カメラ画像+AI+2ポートEthernetでクラウド連携を行う画像検査装置・監視装置
・ 上位ネットワークと現場ネットワークを分離するセキュアゲートウェイ/プロトコルコンバータ
・ 10年スパンの運用を前提としたインフラ監視・ビル設備・FAコントローラ

◆支援
ポジティブワンは、SSOM-i.MX8MP-Chinchillaによるi.MX 6ULL/i.MX 6UL/i.MX 6SoloXプラットフォームからの移行支援に加え、NXP / Rockchip / NVIDIAなど複数SoC間のプラットフォーム移行、およびお客様仕様のキャリアボード開発・製造までを含めたトータルソリューションを強化していきます。

2ポートEthernet構成を守りながら、性能・AI・HMI・ライフサイクルを同時に引き上げる――当社は、その「次の一歩」を、お客様とともに具体的な回路・基板・製造計画のレベルで形にしていきます。 【ポジティブワン株式会社について】
社名 ポジティブワン株式会社(POSITIVE ONE CORPORATION)
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷マークシティ・ウエスト22F

URL http://www.positive-one.com
SoM製品関係:https://www.chinchillasmart.com

ポジティブワン株式会社は、最先端技術と時代を先読みしたエンベデッドソリューションをご提供します。そのために海外の有力な最先端技術会社と提携し、多様化する仕様に対応できるOEMハードウエアや世界標準ISOなどに準拠する品質向上のためのツールをご提供します。さらに、システムコンサルティング、エンベデッドからPC、スマートフォン、サーバーを含んだハードウエアからソフトウエアまでのシステム受託開発など、皆様のプロジェクト成功のためのご支援をいたします。

【本件に関するお問い合わせ先】
ポジティブワン株式会社
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TEL:03-3256-3933 FAX:03-4360-5301